指しゃぶり、いつやめる?口腔習癖と咬み合わせの関係
目次
1.なぜ指しゃぶりするの?
2.いつまでにやめればいいの?
3.放置しておくと?
4.治し方は?
今回はどちらかというとお子さんがまだ幼い、親御さん向けになっていると思います。
歯並びが崩れやすい癖の代表的なものが指しゃぶりです。
ただ、歯並びが崩れるからと言って指しゃぶりしているお子さんをすぐ叱ったり注意していると、親御さんとお子さんの関係性にもしかしたら亀裂が走る、、なんてこともあるかもしれません。
どうして指しゃぶりするのか、放置するとどのようなかみ合わせになるのか、いつどうやってやめてもらうのかを正しく理解してもらい、よりよい親子関係のお手伝いが出来ればと思いますので是非参考にしてください。
1.なぜ指しゃぶりするの?
指しゃぶりは1歳半から2歳をピークに行い、不安や緊張を抑制する効果があると言われています。
ピーク時の指しゃぶりは口腔周囲筋の発達にもつながる自然な生理行為です。ピーク時を過ぎても指しゃぶりがやめられないお子様は歯並びが崩れる原因になることがあります。
2.いつまでにやめればいいの?
年齢別に注意点を列挙していくと
2歳半過ぎ:生活リズムが整う、他に夢中で遊ぶものが出来るなどで自然に指しゃぶりを辞める子が多いです。
3歳半過ぎ:指しゃぶりによって出来た前歯の隙間に、舌を入れて遊びはじめるようになる(舌癖という口腔習癖)可能性があります。指しゃぶり単独だと、やめれば咬み合わせも落ち着くことが多いですが、舌癖を伴ってくると開咬という不正な咬合になる可能性は高いです。
5歳以降:神経性習癖という習癖に分類されます。何か日常生活での不安などが強い場合もあるので心療内科的アプローチが必要になる可能性があります。
個人差があることなので一概に何歳までにやめた方が良いとは言いにくいですが、舌癖(上下の前歯が、かみ合っておらず上と下の歯の間に隙間が出来、そこに舌を入れる癖)が生じる前に指しゃぶりの癖はなくしておきたいなというのが個人的な考えではあります。
3.放置しておくと?
先日のコラム、歯並びってどうやって決まるの?の不正咬合の生じるメカニズムでお話したように
歯並びの外側の筋肉(頬、口輪筋など)と内側の筋肉(舌)とのバランスが崩れ様々な不正咬合を誘発します。
生じやすい不正咬合は以下の通りです。
※不正咬合の生じるメカニズムについてのコラム
歯並びってどうやって決まるの? ~デコボコや出っ歯などの不正咬合が生じるメカニズム~はこちら
・開咬
・上顎歯列弓の狭窄
・上顎前突
・交叉咬合(横から指を入れるので顎が左右にずれやすくなる)
4.治し方は?
かみ合わせが崩れる可能性がある指しゃぶりですが、心理的要因で起こる可能性もあるので怒ることや無理にやめさせるといったことは控えた方が良いです。
親御さん側も、大人になっても指しゃぶりしている人はいないのでいつかやめるだろうと気持ちのゆとりを持つことが大事になってきます。
以下に指しゃぶりやめられない子の対応の一例をご紹介します。
①お話が理解できるようになったお子様はまず向き合ってお話をしてみてください
②眠くなった時に指しゃぶりをしてしまうお子様は、母親が手をつないであげることで安心感を与え、同時に指を押さえるようにしてください
③指に好きなキャラクターが描かれたテーピングテープや絆創膏を貼ったり、新しい靴下を手にはかせるなど、工夫して物理的に指しゃぶりが出来ないようにしてみてください
それでも中々指しゃぶりが改善されないお子さんは第三者が介入するというのも一つの手だと思うので、お困りの際は一度ご相談ください。