マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)②~実際の使用方法、日常の注意事項について~
マウスピース型矯正装置(商品名:インビザライン)について、今回は日常的にどんな使用上の注意事項があるかについてです。
マウスピース型矯正装置は自己管理が問われる装置になります。つまり、お家での取り扱い方が非常に重要になります。
実際に当院で患者さんに説明させていただいている内容をご紹介したいと思います。
目次
①装着時間に関して
②装着方法に関して
③マウスピース型矯正装置の交換について
④マウスピース型矯正装置のお手入れ方法について
⑤アタッチメントについて
⑥保管について
⑦痛みについて
⑧まとめ
①装着時間に関して
装着していないと歯が動かないことが、マウスピース型矯正装置の最大の欠点です。
お食事、歯ブラシ以外の際は必ず装着するようにしてください(22時間/1日が目標)
1日装着しない日があればその日分と追加1日、計2日日数を増やしてください
マウスピース型矯正装置、どうしてもつけられない時が日常生活で出てくると思います。外した後、確実に予定通り歯を動かすためには装着時間を増やすしかなく、その分治療期間も延びてしまいます。そして治療期間が延びると、歯へのダメージ(歯根吸収や歯肉退縮)のリスクも上がります。出来るだけ、外す時間が短くなるようにお願いしたいです。
②装着方法に関して
・毎回しっかり入っていることを確認してください。
アライナーの端から3mm以上透明な隙間があればしっかり入っていないです。
装着は前歯から指の腹を使用し確実に装着してください。
可能な限り毎回アライナーチューイを使用し、しっかり奥まで装着してください。
マウスピース型矯正装置が奥まで入っているかは治療上かなり重要です。必ず、鏡などでチェックする機会を増やしていただきたいです。ただ、治療上フィットしていない状態でも全体を考えてしばらく進める場合もあります。(八重歯など一本だけ歯並びから逸した位置に歯があるときや、歯のサイズが極端に小さい矮小歯などがある場合)あっていない箇所がある際は主治医に確認して指示に従っていただく事をお勧めします。
・着脱は奥歯の舌側から行ってください。
無理に外すと、破折の可能性があるので可能な限り奥歯の舌側から行ってください。
片側から全体を剝がすように装置を外すと、三番目の歯(犬歯、糸切り歯)の付近に応力が加わりその部分が破折しやすくなります。必ず奥から、さらに両方から外すようにしてください。
・マウスピース型矯正装置の着脱回数は少ないほうが良いです。
装着の際、水やお茶は問題ありませんが、砂糖など糖分が混入した飲み物はお控えください、虫歯の原因になります。外したときはケースの中に入れるようにしてください。
しっかり歯磨きしてから、マウスピース型矯正装置を装着してください。虫歯の原因だけでなく、マウスピース型矯正装置の不適合の原因になります。カレーやコーヒーの後、歯磨きせずに装着するとアライナーの着色の原因になります
③マウスピース型矯正装置の交換について
マウスピース型矯正装置は7~10日間隔で新しいマウスピース型矯正装置と交換していきます。
その交換のタイミングでお勧めなのは寝る前です。マウスピース型装置の一番、痛みが出やすいときは交換後です。なるべく痛みが出るときを寝ている時に合わせた方が良いと考えています。
④マウスピース型矯正装置のお手入れ方法について
マウスピース型矯正装置は柔らかい歯ブラシでペーストを用いて磨いてください。熱湯消毒を行うと変形の原因になるので行わないでください。また専用の洗剤も取り扱いありますので、もし希望があればおっしゃってください。(基本的に交換していくものなので絶対必要というわけではありません)
⑤アタッチメントについて
アタッチメント(歯に付着している白い突起物)が脱離した際はご連絡ください。
連絡していただく際、現在使用しているマウスピースが何枚目なのか、どこの歯が取れたのか(前から何番目なのか)教えて頂ければ助かります。(外れた箇所によっては緊急で来てい頂かなくても問題ないこともあります。その確認に外れた箇所と何枚目かを教えて頂きたいです)
⑥保管について
マウスピース型矯正装置はなるべく捨てずに保管してください。紛失された場合など、以前のものを使用していただく可能性があるので少なくとも前回のものは保管するようにしてください。
マウスピース型矯正装置は紛失すると、発注に時間がかかりますので絶対に紛失しないようにお願いします。(紛失の量、頻度によっては追加費用をいただく場合があります。)
⑦痛みについて
痛みが少ないと言われているマウスピース型矯正装置ですが、マウスピース自体が変形してしまうと普段より痛みが生じることがあります。変形してしまうと、予定の動きとも異なる動きになりますので、ご自身の痛みのためにも、予定された歯の動きを行うためにも必ず大事に取り扱ってください。
⑧まとめ
今回は主にインビザライン使用の際、気を付けた方が良いことのついて述べさせていただきました。
もしかすると、作る企業によって(コラム:マウスピース型矯正装置①で述べたインビザライン以外のマウスピース)、固さなどが異なるので注意事項は少し異なるかのかもしれません。(他のマウスピースに関して知識不足で、あいまいな事をのべてしまい申し訳ありません)
意外と大変なことも多いと思いますが、しっかり自己管理できる方用の矯正装置ではあるなと感じています。
第3回はアタッチメントについてお話したいと思います。
アタッチメントはいろいろな形があるので、なぜ自分にこのアタッチメントが付いているかなど分かれば面白いと思いますのでお楽しみに!